キングダムは熱い戦術アニメ。
今回は、7話〜12話感想です。
戦闘の全容がわかる構成
キングダムは、戦闘時に主人公個人の視点を離れ、戦闘の全容を追う構成になっていることが面白いですね。
軍全体がどのように動き、戦況がどう変化しているのかがわかる。
今回の戦闘では、趙軍陣営と秦軍の右翼左翼がクローズアップされました。
視聴者は、両陣営の状況を体感しながら、戦闘を俯瞰して見ることができます。
さらに、主人公の信が戦況がどうなっているのかと焦るシーンでさえ、臨場感を増す演出となるところが面白い。
両陣営の総大将である、李牧と王翦の思惑が隠されていることも、視聴者を戦闘に没入させる効果があります。
もし、この戦闘に加わっていたなら、周囲の状況で、大将の意図を察する必要があるわけですよね。
大将の意図を察することができる者、戦況を見て敵の隙を突く者が軍功を挙げる。だから、自分ならどうするかを考えながら見ることがすごく楽しい。
しかし、登場人物たちの動きは、その予想を超えてくるので、それがキングダムの面白さかなと思います。
蒙恬の急襲
初戦は圧倒的な兵数差がある左翼、蒙恬の知略が光ります。
まともにぶつかれば、すぐに殲滅される兵数でどう闘うのか。
蒙恬が少数精鋭だからこそのスピードを武器にしたところが爽快でしたね。
先手必勝とばかりに急襲し、相手が対策する間に離脱。戦闘と離脱を繰り返しながら趙軍の戦力を本隊から引き出しては削る。
少数でなければできない戦略はさすがでした。
部隊の間にある通路を通って、蒙恬対策として出馬する騎馬隊、紀彗が高所から蒙恬による軍の蹂躙、戦況の悪化を目にして指示を出すシーン、どれもリアルで面白いです。
士気と戦況
秦軍の戦略で、兵数を見誤った趙軍は士気を削がれ旗色が悪くなります。
それをいち早く察知した紀彗は、士気を立て直すため、伝令を飛ばす。
武力、腕力もそれを用いる人の心次第。
目には見えない「士気」の変化に気づいた紀彗は、さすがの采配で手を打ちます。
心が変われば、人は本来の力を発揮できる。勝てると信じる心、目的へと躍動する心こそが、戦況を変える。
逆に、大軍や有利な戦況に甘んじる油断や敵への侮りがあれば、恐れや士気の低下が無くても負ける。
兵士の心の状態を把握する能力も、将には求められるんだろうなと思いました。
王賁の命令違反
戦況は刻々と変化し、その変化を捉えた王賁が命令違反をします。
しかし、王賁のこの行動で戦況が変わり好機が訪れます。
面白いですよね。同じ景色を見ていても、気づく人と気づかない人がいる。
日常生活でもそうです。
同じ景色、同じ光景を見ていても、感じることは人それぞれです。
見たままの情報を捉える人。見た情報によってその背景を理解する人、見た情報とその背景を理解し、これから起きることを予測する人。
この3者は得た情報に従って、その後の行動を決めます。人生は、得る情報の量と行動の選択肢の数で変化する。だから、漫然と生きていると、変化し続ける時代そのものから隔絶されてしまう。必要な情報を取捨選択し、変化を捉え、これから起きることを予測しながら生きないといけないなと思います。
王賁と蒙恬は、この戦闘で大将の片鱗を見せました。
信は、まだ目に映ることに囚われている。そして、感情の赴くままに行動していますが、本能的なカンで、要所は押さえている。このキャラクターの描き分けが面白いですね。
李牧の羊
李牧が犬戎へふるまう羊。
舜水樹が、対価は羊だと言った時「そんな物で」と兵士は驚きます。
これも、目に映る事実としての報酬は羊の肉ですが、目に見えぬ報酬は趙国との和平、相互不可侵、共闘です。
つまり、犬戎は李牧の羊を受け取ることで、李牧の提案を受け入れることになり、現状維持、安泰となる。
面白いですね。李牧自らがふるまうからこそ、価値がある羊の肉というわけです。
麻鉱将軍の言葉
絶対絶命の危機となった秦軍。
将に頼り、自身の頭で考えることをせずに従っていた武将たちは、状況の変化に対応できず、無策のまま兵を失っています。
そこに駆けつけた蒙恬は状況を把握し、軍を立て直すための秘策を信に託します。
誰もが不可能だと思うような過酷な戦場へ突進する信。こんなときは信が頼りですね。
信は、名前通り、絶対的な自分への「信」がある。どこまでも自分自身の可能性を信じている。
夢を叶えることへの執念がある。
信の目的は、自分だけの夢ではなく、大切な存在との約束でもある。だから強いのでしょうね。
秦軍の士気を削ぐために紀彗が伝令を飛ばし、秦軍の士気を回復させるために蒙恬も伝令を飛ばす。
混乱し揺れ動く兵士の心を、不動としたのは麻鉱の残した言葉でした。
共に過ごした訓練の日々で、何度も秦軍の兵士が耳にした言葉。
その言葉は、絶対絶命の今だからこそ、心を奮い立たせる言葉となりました。
この言葉は、とても良かったですね。感動しました。


